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ドラマシアターども-外観-

ドラマシアターども

〒067-0012
北海道江別市2条2丁目7-1
TEL:011(384)4011
営業時間:AM10:00〜PM7:00
定休日:月曜日

ドラマシアターどもについて

江別駅を出てすぐ、右側をまっすぐ進むと、レンガ作りの歴史的おもむきのある、四角い建物があります。おしゃれなモザイクタイルの看板には大きく「ドラマシアターども」と書かれています。

ドラマシアターどもでは安念智康(演出の時は「ども」というニックネーム)を筆頭に、演劇、喫茶、ギャラリーを行っており、劇団どもの練習場所としても使用しております。

「ども」は安念智康のあだ名で、喫茶店の名前である「ドラマシアターども」は、安念が運営している劇団の名前でもあります。

ドラマシアターどもの歴史〜ドラマシアターどもⅣの誕生まで〜

ここではドラマシアターどもⅣに至るまでのドラマシアターどもの歩み、安念智康(以下、『どもさん』と呼びます)のエピソードを紹介しています。

プロローグ

JR江別駅前。札幌のベットダウンとしても人口を増やしてきた江別市ですが、顔であるはずのJR江別駅前は人影がまばらです。市内は江別地区、野幌地区、大麻地区に大別され、人口が多いのは野幌や大麻。江別地区はさびれ、過疎化が進む地方都市の中心街そのもののようです。

それでも碁盤の目に道路が切られ、通りには「平和通」「銀座」といった名前がつけられ、三階建ての商店も目立ち、「割烹」の看板を掲げた店もあります。商店街の向こうに見えるのは工場の高い煙突。王子製紙が隣接しているのです。かつてこの街は活気にあふれていたのでしょう。

「ドラマシアターども」はそんな街の一角に4番目の居場所を見つけたのです。

はじまりの『どもⅠ』

ども11981年7月、ドラマシアターどもが野幌駅前にオープンします。1階はシックな喫茶店、2階にどもさん夫婦が寝泊まりしました。

どもⅠではコンサートなど多くのイベントも行われました。当時はまだ東京下北沢の本多劇場がなかったころで、全国的に見てもフリースペースのはしりでした。 毎年、北海道ツアーを行うギリヤーク尼ヶ崎さんの踊りも、どもIから始まり、連続して今年に至っています。

しかし、文化・芸術の交差点として順調に歩んだのもつかの間、持ち上がったのが道路拡張による立ち退き話です。居座るわけにもいかず、立ち退き料は380万円ほど出ましたが、借金を払うと消えてしまいました。父親など多くの人々の手によってつくられたどもIは、わずか4年半で終わりを告げるのです。

劇場はもと馬小屋『どもⅡ』

ども2再建するか否か…悩んだ末、ドラマシアターどもは多くの人達に支えられ再建を果たすのです。それが『どもⅡ』となります。

改装に2ヶ月をかけ、1985年春にどもⅡはオープンします。どもⅡは当初、母屋を借りて喫茶店を開きますが、その後母屋のわきにある馬小屋も借りて、そこが独立した演劇などのフリースペースとなります。

ところがまたまたの移転の話です。借りていた農家がその土地を売り払うことになったのです。

移転先として見つけたのが、どもⅡのすぐ近くにあった古いアパートでした。大きな建物だったので、4ヶ月かけて改装し、元ほかい人群の木本博さんが泊まり込みで作業に当たってくれました。

試練を越えた『どもⅢ』

1990年春、ドラマシアターどもⅢがオープンしました。喫茶店やギャラリー、八百屋、それにフリースペースを備え、スタッフも増えてどもⅢの初期は夫婦を合わせ、15人にもなっていました。

ドラマシアターどもはオリジナル作品をつくり公演を重ねてきたものが実を結び、1994年にはどもさんが道銀文化財団奨励賞を受賞するなど、その評価も高まりました。

しかしどもさん個人にとっては試練のときでもありました。もともと聴力が弱く補聴器を付けていた、どもさんでしたが、1992年ごろにはほとんど聞こえなってしまったのです。演出家として耳が聞こえないのは致命的…絶望の月日をさまよったすえに、踏み切ったのが最新技術の人工内耳を頭に埋め込むというというもの。1996年にその手術を受け、それからはふつうの人並みとはいきませんが、聞こえるようになっています。

どもさんはプロアマ含めた劇団が集う北海道演劇集団の創造委員、全国リアリズム演劇会議の運営委員もつとめ、自分の劇団以外の仕事も増えていきます。そんなどもⅢ時代でしたが、ついに移転のときはやってきました。敷地が売りに出され、賃貸契約が切れて2004年11月に14年の歴史を閉じるのです。

原点に返って…『どもⅣ』

ども4ついに現在のどもⅣです。

やはり、さまざまな案が浮かんでは消えました。まったくの新築で出発する案、現在江別市が管理する「アートスペース外輪船」となっている石造り倉庫を借り上げる案…。結局、どもさんは江別駅前で歴史を重ねてきた建物を買い取る決心をします。

この建物は1922年に石狩川と千歳川の水運で栄えた岩田商店が私設郵便局として建てたもので、医院として長く使用され、どもさんも子どものころこの医院に通いました。一時ジャズハウスにもなっていました。全国からのカンパと多額の借金で建物を買い取り、全面改装です。土地は30年契約で借りました。

2006年4月、約1年半に及ぶ空白期間を経てドラマシアターどもⅣがスタートしました。